
TikTokで人気を集めた後、2021年にはYouTubeチャンネルを開設したYouTuber・かすこんねぅ。開設から2カ月でチャンネル登録者数24万人超、1年経った今では38万人以上とその勢いは止まることがない。今回は、彼女がSNSで発信を続ける理由や、そこの原点となった幼少期の話などを、徹底取材。なぜ彼女が人気を集めるのか、その正体に迫る。
人前に立つのが好きだった幼少期、YouTuberになりたかった中学生時代

ーーTikTokやYouTubeでの発信をされてらっしゃるかすこんねぅさんですが、YouTubeに興味を持ったのはいつ頃だったのでしょう?
かすこんねぅ:中学生のころからYouTubeを見るのにハマっていたと思います。当時はふくれなさんとかを見ていましたね。1ファンとして見ていくうちに「私も会ってみたいな」と思うようになったのですが、当時は「絶対にYouTuberになりたい!」というよりも「いいな〜」くらいのテンションでしたね。
ーー最初の発信はTikTokだったそうですが、TikTokを始めたのはなぜだったのでしょう?
かすこんねぅ:高校に入学して、周りの子たちがTikTokのアプリを入れているのを見て入れてみたんです。それで、とりあえず何か動画を出してみようと思って、最初に投稿したお父さんが音読カードに書いてくれた「幼虫からアゲハ蝶になっていくパラパラ漫画の動画」がバズったんですよね。
ーー家族の反応はどうでしたか?
かすこんねぅ:喜んでましたね! うちの家族はYouTubeとかSNS活動に大賛成派だったので「もっと投稿しなよ!」って応援してくれました。普通だったら「学校のことを優先しなさい!」って言われると思うんですけど、「勉強も大事だけどSNSもちゃんと頑張った方がいいよ」と言ってくれるような親だったので。
ーーそうだったんですね! 現在の動画を見ると、かすこんねぅさん本人が顔出しをして、ご本人の人間性を表現するような動画を出している印象です。1本目の動画からはかなりテイストも変わっているように思っているのですが、なぜでしょう?
かすこんねぅ:もともとYouTuberへの憧れがあったので、TikTokである程度知名度を上げて、大学生になってからYouTubeを始めてみようと思ったんですね。ただ、最初はネタをガッツリやるのは少し恥ずかしくて……。気持ち悪い変顔系のエフェクトをつけたりしながら、少しずつ顔出ししていきました。
ーーもともと人前に立つことや、何かの発信することは好きだったのでしょうか?
かすこんねぅ:昔から人前に立つのは好きでしたね。クラスのリーダーや生徒会長をやっていたこともありました。ただ、生徒会長をやっていたのは、単に目立ちたいからというよりも、普通にしていると経験できないこと、例えば体育祭の運営だったり、人前で話したりとかをやってみたいからでしたね。自分の経験を増やしたいというのがモチベーションの生徒会長でした。

“なんでもできる”YouTubeという居場所
ーーTikTokですでに有名になっていたかすこんねぅさんですが、一度アカウントを消したこともあるんですよね? なぜ消してしまったんですか?
かすこんねぅ:高校3年生の時、大学受験があったタイミングで「一度、勉強に集中しよう」と思ったんです。でも、消した後でめちゃくちゃ後悔してしまいました。「せっかくみてくれている人がいたのに、いま辞めるのはすごくもったいないんじゃないか」って。それで、すぐにアプリを入れ直したんですよね。そこからは月1でも良いから、ゆっくり続けていこうとゆるやかに発信し続けました。
ーー消したことで、かすこんねぅさんにとって大事な場だということを再確認したんですね。
かすこんねぅ:そうなんです。自分の中で良い波が来ていたのに、それを逃してしまうのは違うなと。

ーーお話を聞いていて、すでにフォロワー数が多かったTikTokだけでも十分活動できたんじゃないのかと感じたのですが、YouTubeも始めたのはなぜでしょうか?
かすこんねぅ:いくつか理由があるのですが、やはりTikTokという短い尺の中でできることって限られていて、自由に時間を決められるYouTubeなら自分のやりたいことをもっと表現できると思ったのは1つありますね。
それから、TikTokだけだと、やはりTikTokの中だけでしか広まらないなというのを発信を続けるうちに感じるようになって、1つのSNSに止まらず満遍なくやってみたいなと思いました。
ーー人前に出るお仕事という意味では、SNSだけでなく、テレビや雑誌で活躍するという方向性もあるのかなと思うのですが、あくまでもSNSを起点に活動を広げていきたかったのでしょうか?
かすこんねぅ:正直、幼少期はテレビへの憧れがあって、記憶が曖昧ですが芸能系のオーディションに書類を送ったこともありました。でも、全然受からなかったんですよね(笑)。いまとなっては、自分のやりたいことをなんでもできちゃうYouTubeの方が自分には向いていたのかなと振り返ります。テレビのイメージに合わせるとかではなく、自分のやりたいキャラクターを自由にできるのは楽しいですね。
特徴的な挨拶の誕生秘話も!人気の秘密とこれから叶えたいこと
ーーかすこんねぅさんと言えば、「あなたの心にずっきゅんばっきゅんどっきゅんこんこんちゅちゅちゅちゅちゅかすこんねぅですestablish」という挨拶が印象的です。あの挨拶は、どのように生まれたのでしょう?
かすこんねぅ:実はestabilishの前までのフレーズは、友達が考えたんです。高校の時に「大学生になったら、YouTubeを始めようかな」と話した時に「じゃあ、挨拶考えようよ」というノリになって、1発目で生まれました。その場にいたみんなで「長くない?」「もっとスタイリッシュにしようよ」とは話したのですが、結局あれが頭に残っちゃって、そのまま採用しましたね。

ーーお友達のセンスがすごい(笑)。estabilishはなぜでしょう?
かすこんねぅ:estabilishは、お父さんが考えました。学校のテスト前に英単語を覚えるじゃないですか? あの時に、ジェスチャーをつけて覚えてて「estabilishは設立〜!」って感じがするよねって、あのジェスチャーを助けながら話していたんです(笑)。だから、友達のフレーズと、お父さんと話していたワードを合体させてみたのですが……そこからずっとやり続ける挨拶になるとは思いませんでしたね(笑)。正直、あれでいいのか、なにがおもしろいんだろうと思うこともあります(笑)。
ーーそうだったんですね。多くの人から見られているかすこんねぅさんですが、ご自身のどんなところが求められていると考えていますか?
かすこんねぅ:やっぱり全力でふざけ散らかしているところですかね。かわいさとか、美容は求められていないんだろうなと思いますし、自分的にも「おもしろい!」って言ってもらえるのが、1番嬉しいんです。

ーーチャンネル開設から1年で38万人もの人に登録されたのは、なぜだと分析していますか?
かすこんねぅ:最初にTikTokで「YouTubeを始めました」という切り抜き動画を自分で作ったのは大きかったかもしれません。「この子YouTube始めたんだ」とTikTokから流れてきている人は多かったです。あとはTikTokでおもしろいって思ってくれたことをYouTubeでも同じようにやるということ。尺が変わっても、自分が求められていることを出すことは意識しました。
ーーかすこんねぅさんのファンの方は、どんな人が多いのでしょうか?
かすこんねぅ:男女比だとTikTokだと女性が8割なのですが、YouTubeは女性が6割、男性が4割と約半々くらいです。私が大学生で学校のネタを投稿しているというのもあって、同世代の人を中心に共感してもらっているのかなと思います。自分では「なぜなんだろう?」と言う感じなのですが、以前ヘラヘラ三銃士のありしゃんさんから「吹っ切っている潔さが、男のノリにグサッと刺さってるんじゃない?」と言っていただけたことがあって、性別や年齢を問わず楽しんでもらえたらなと思っています。

ーーなるほど。続けていて大変だなと思うことはありますか?
かすこんねぅ:特にないですね。YouTubeで発信している姿はキャラではなくいつも通りの自分なので、しんどいなと思うこともありません。もちろん1人でいるときは静かですけど、大学の友人からも「動画のままなんだね」と言われます。
それにもともと小さいころから物を作ったり、絵を描くのが好きでしたし、ありがたいことに、私がやりたいと思ったことはすぐできるようにと、家には画用紙と筆記用具、折り紙が常にありました。それは私だけじゃなく、お兄ちゃん2人の興味にそったものも用意してくれていたのですが、家族が環境を作ってくれたことが、いま私が動画を作って発信することを楽しめている理由の一つかなと思います。
ーー最後に、今後かすこんねぅさんがやりたいことを教えてください。
かすこんねぅ:いまはとにかく動画を出していきたいのですが、音楽や芸術なども好きなので、自分の得意分野を生かした活動にもつなげていけたらと思っています。YouTubeだけでなく、経営やビジネス的な軸も持てるように、しっかりと勉強をして知識をつけたいですね。
