NPB・KONAMI共催のプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALLプロスピAリーグ」が熱い盛り上がりを見せている。
「eBASEBALLプロスピAリーグ」(通称:スピリーグ)は、モバイルゲーム『プロ野球スピリッツA(以下、プロスピA)』を使用した、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント共催のプロ野球eスポーツリーグ。プロ野球12球団を代表する各球団3名、計36名のプロプレイヤーがセ・リーグとパ・リーグのeペナントレースを戦い抜き、日本一の座をかけて競い合っている。
大会のスペシャルサポーターには「乃木坂46」「櫻坂46」「日向坂46」の坂道シリーズ3グループが就任し、野球が大好きなメンバーが「スピリーグ」2022シーズンを応援。なかでも、eペナントレース開幕から注目を浴びているのが、乃木坂46の黒見明香だ。
開幕戦の「広島vsDeNA」で「同点、もしくはサヨナラいっちゃうんじゃないか」という黒見の“予言”が的中し、DeNAが逆転勝利。そこから”予言者”という呼び名が定着し、『プロスピA』プレイヤーならではの的確なコメントもファンからは称賛されている。
今回は、12月3日に行われた「eペナントレース 第5節」「阪神vs広島」の試合に密着。結果としては広島の勝利となり、2年連続のeクライマックスシリーズ進出が決定したが、これまで無敗だったキャプテンの渡邊太智選手が初の黒星を喫する試合となった。
ある種、歴史的な瞬間とも言える試合直後、筆者は黒見明香にインタビューをする機会を得た。試合の振り返りはもちろん、”予言者”と呼ばれることへのプレッシャー、『プロスピA』歴およそ5年となるプレイヤーとしての姿、乃木坂46の活動と『プロスピA』の両立、スペシャルサポーターとしての今後の目標を聞いた。
ちなみに、彼女はインタビュー時も常にノートを持ち歩いており、勉強熱心な姿勢が見てとれた。(渡辺彰浩)
――まずは先ほどの試合、いかがでしたか?
黒見明香:クライマックスシリーズの進出決定がかかっている試合でもありましたし、なにより一番印象に残っているのはあの渡邊(太智)選手に築山(明季)選手が勝ったということです。まさか渡邊選手が負けてしまうというのは、予想していなかったですね。
――渡邊選手にとっては初黒星ですもんね。
黒見:築山選手が何かプレッシャーがなくなって、本当に笑顔で楽しんでプレイをされていたので。楽しんでプレイをすると、結果が後からついてくるんだなと感じました。
――たとえ渡邊選手が負けてしまっても、「1-2」で広島東洋カープが勝利したところはチームワークを感じますよね。
黒見:そうですね。エースの渡邊選手が負けてしまっても、ほかの方が補う。そこは乃木坂46の普段の活動と似てるなと思います。乃木坂46もライブ期間中に誰かメンバーが抜けてしまっても、みんなでカバーしあうことでお客さんにパフォーマンスを届けているので、そこはチームワークという点でも、乃木坂46の活動と結びつくところがあるなと感じます。
――黒見さんはスペシャルサポーター就任後、すでに4回ゲストとして出演していますが、実際にプレイするのとゲストとして解説するのとではやはり違いますか?
黒見:全然違いますね。普段プレイしているときはふっきれてプレイしているんですけど、ゲストとなると少しプレッシャーがあって。すごく楽しんでやれてはいるんですけど、まだ自分がゲストとしての役割を果たせているのかは分からないです。
――ファンの方からは「コメントが的確」という声もありますが。
黒見:ファンの方からコメントをしていただける機会はあるんですけど、それはMC実況の清水(久嗣アナウンサー)さんもそうですし、ほかの解説のみなさんがいてこそなので。知識量も自分とは全然違うなと思って、まだまだ勉強が必要だなと感じる点がいっぱいあります。
――清水さんからも”予言者”と呼ばれてすっかりそのイメージが定着している印象ですが、そのように呼ばれることにはどう感じていますか?
黒見:嬉しいですね。”予言者”と呼ばれることへのプレッシャーがあるにはあるんですけど、今は予言することが楽しくて。開幕戦は頑張って食らいつこうというのが一番にあったんですけど、今は少しずつ楽しんで観られるようになってきていて、自分が『プロスピA』をプレイしているからこそ分かる部分もたくさんあったので、好きでプレイしていて本当によかったなって思います。
――解説には試合を客観的に観たり、試合を読む力も大事なのかなと思います。
黒見:今まで毎試合をチェックして、どの選手がどのようにプレイされているかをノートにメモしたりして、一通り頭に入れているからこそ分かることとか、だからこそ予言できることもありました。試合を客観的に観て、それぞれの選手の分析をした上でゲストとして出させていただくのが大事だと感じましたね。
――ちなみに、先ほど言っていた「吹っ切れてプレイ」するというのは?
黒見:『プロスピA』で何連敗かしてしまって、なかなか勝てずに泥沼にハマっているときに、「何連敗かしたことは忘れて、自分で楽しくやってみよう」と思ったんです。特殊能力を意識してプレイすることも多いんですけど、そういうのは関係なく、とりあえず今プレイしたい選手をオーダーに入れてやってみると、連敗がストップしたり「え、なんでこんな打てるんだろう」みたいなことも起きるので、それもプレッシャーなのかもしれないですね。気楽に楽しく、自分がやりたいようにプレイすれば勝てることもあると感じます。
――ファンからの反響もありますか? 例えば、『プロスピA』が好きな方が乃木坂46のファンになってくれたとか。
黒見:ありますね。『プロスピA』が好きで、乃木坂46を知ってくださった方もいらっしゃいますし、逆に乃木坂46は好きだったけどあまり野球とか『プロスピA』は知らずに、この「スピリーグ」を観てたら楽しくて『プロスピA』を始めたというようなファンの方もいらっしゃいます。『プロスピA』はやってたけど「スピリーグ」はあまり知らなかったという方もいて、開幕戦を観たら面白くて、また次のチケットも買ったと言っていただいたりとか、みなさんに『プロスピA』や「スピリーグ」の魅力が少しずつ広まってるのは嬉しいなと思います。