菓子メーカー「シャトレーゼ」ファンの中でも、評価の高いシュークリームがあります。それが「プレミアムカスタードシュー」。ワンランク上のシュークリームを目指し2021年に誕生しました。
価格は194円とシャトレーゼにしては少し高級ですが、「クリームのトロトロ具合が最高」「濃厚で旨い」「濃厚なカスタードがたっぷりで至福」といった口コミが、SNSを中心に散見されます。
このように誕生当初から人気でしたが、2022年11月にリニューアル。なんとバターの使用量が前回の5倍になりました。
味はパワーアップはしたものの、価格は変わらず194円のまま。なぜ価格を変えずに提供できているのか、シャトレーゼに聞いてみました。
「社員からコスト削減案を募る」
「プレミアムカスタードシュー」は、味わい深く香ばしいシュー皮に、濃厚なカスタードクリームをたっぷり詰めた商品です。
シュー皮は、北海道産発酵バターを使用。時間をかけて丁寧に焼き上げています。クリームは、バターの使用量をリニューアル前の5倍にすることで、コク深く濃厚でしっかりとした味になりました。
バターを5倍にした理由は、皮のバター感に負けないクリームを作るため。5倍と聞くと驚きますが、「存在感のあるクリームを生み出すには、そのくらい思い切った量のバターが必要」なのだとか。
とはいえ、単にバターの量を増やせばいいというわけではありません。
実際5倍にすると、あまりに濃厚なので1個食べるのが重たく感じてしまう人もいます。普通は、サイズを一回り小さくすところですが、シャトレーゼとしては、「この満足感は、この大きさだからこそ生まれるもの」というポリシーがありました。
そこで、元のサイズでも完食できるように、精製度が低くマイルドに仕上がる三温糖とフランス産ロレーヌ岩塩で味を引き締め、さらにブランデーでキレのある後味へと調えたそうです。
さて、昨今多くの材料が高騰する中、バターの使用量が5倍となると、価格もその分値上がりしそうです。ではなぜ発売当初の価格が維持できているのでしょうか。
その理由について広報は、「ファームファクトリー」という独自のビジネスモデルにあると話します。
「ファームファクトリー」とは、素材を自社で調達し、製造から配送も自社で行うこと。中間コストを省くことで、創業当時からお手頃価格で良質な商品の提供を行っています。
実はシャトレーゼでは「プレミアムカスタードシュー」に限らず、値上げラッシュが続く中でも商品価格の値上げは行っていません。
価格維持実現の大きな理由は「ファームファクトリー」とのことですが、ほかにもこんな努力があるようです。
「最近では、社員からコスト削減案を募っています。そのアイデアも参考に、徹底的なコスト削減を行い、価格維持に努めています」
年末年始にかけ手土産を渡す機会も増えるので、選択肢のひとつとして頭に入れておくといいかもしれませんね。
(東京バーゲンマニア編集部 三浦香奈)