著作権管理事業者のNexToneが主催する『NexTone Award(ネクストーン・アワード)2023』で、Adoの「うっせぇわ」がGold Medalを受賞した。同賞は、次代を奏でる著作権エージェントを目指す同社が2017年に創設したアワードで、年間の著作権使用料分配額上位作品を顕彰するもの。リリースから3年、ロングヒットとなった同曲を作詞作曲したsyudouに、受賞の感想と自身もアーティストとして活動する思いを聞いた。
「うっせぇわ」は「会社員時代の愚痴を詰め込んだ楽曲」作詞作曲のsyudou明かす
- これまで錚々たるアーティストに贈られてきた『NexTone Award』のGold Medal
これまでスピッツ「渚」(2017)、RADWIMPS「前前前世」(2018)、あいみょん「マリーゴールド」(2021)、瑛人「香水」(2022)などが受賞してきたNexTone AwardのGold Medal。syudouは今回の受賞を受け、喜びを述べた。
「大変光栄です。歴代の受賞者の名前を見ても錚々たるアーティストの方々が名を連ねており、それに恥じないような立派な活動をしたいと感じました」
著作権については、「自分のボカロの楽曲が知られていって著作権登録などを行なっていただく際に個人的に勉強しました。また、現マネージャーにお世話になり始めたタイミングでより詳しく教わりました」とのこと。彼が生み出したAdoの「うっせぇわ」は、’20年10月にリリースされ、その後、多くの歌い手やYouTuberが「歌ってみた」動画をアップするなど、二次創作によるムーブメントも広がっていった。
- ロングヒットとなった「うっせぇわ」の生みの親・syudou
結果、’20年11月の『オリコン週間ストリーミングランキング』初登場時の55位から徐々に順位を上げ、’21年2月に自身初となる1位を獲得。その後もロングヒットを記録し、’22年5月には、LiSA「炎」、あいみょん「マリーゴールド」に次いで、女性ソロアーティスト史上3人目となる累積再生数3億回を記録した。YouTubeのMV再生数は、2.7億回を突破している。
同曲で大ブレイクを果たしたAdoは、ORICON NEWSのインタビューで「かなり強くて攻撃的で、“心の叫び”みたいな激しい曲」と表現していた。楽曲提供したsyudouに誕生の経緯を訪ねると、「自分が経験した会社員時代の愚痴を詰め込んだ楽曲です。Adoさんは攻撃的な声が魅力だと感じていたので、そこを活かせる楽曲が作れればと思い制作しました」と回答。
Adoの声色や表現力を最大限に引き出したこの曲は、ヒットが生まれづらいこの時代に世界的なムーブメントを呼んだが、syudouは「自分が制作した曲ではあるのですが、完全にAdoさんの楽曲になったなと感じました」とのこと。
顔出し解禁で「イケメンすぎる」と話題に 自身もアーティスト活動を始めた理由とは
syudou自身は、大学卒業後に地元の会社に就職するも、小学生時代から趣味だった音楽制作は続けていた。’19年にYouTubeに投稿した「ビターチョコデコレーション」がヒットすると、楽曲提供のオファーが相次ぎ、’20年に会社を退職。本格的に音楽プロデューサー、ボカロPとして活動開始した。
’21年の「うっせぇわ」大ヒット以降は、作詞・作曲者として注目を浴び、同年3月に自身初のオリジナル歌唱曲「へべれけジャンキー」をリリース。長らく素顔を明かさず活動していたが、昨年2月放送の『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で顔出し解禁。SNS上では「イケメンすぎる」などと話題を呼び、「syudouさん」がトレンド入りした。
昨年8月には初の有観客ライブを中野サンプラザにて成功させたsyudou。ボカロPと並行して、シンガーソングライターとしての活動を始めた理由については、「リスナーの方の期待や自分の音楽への探求欲を満たすために色々な挑戦をする必要があると感じました。また、自分はモテたくて音楽を始めたのですが、自分で歌った方がモテそうと感じたのもあります(笑)」と無邪気に明かした。
- syudouの1st Album『露骨』(6月28日リリース)
6月には1st Album『露骨』をリリースし、8月からは同作を引っさげたライブツアー「露骨」を大阪・愛知・東京で行う。
「これまでのボカロによる表現ではなく、自分の歌の楽曲で作ったアルバムなので、良い意味で“露骨”な表現が出来たらと思い制作しました。また、初めて関東以外でワンマンライブが出来るので楽しみです。各所のリスナーの方の熱量を楽しみながら、良い意味で距離感の近いライブが出来たらなと思います」
ストリーミングサービスなどにより、音楽の聴き方が多様化した今、流行の移り変わりが早い時代になってしまったといった悲観的な声も耳にする。こういった昨今の音楽市場を、プロデューサーとして、アーティストとして、syudouはどのように感じているのだろうか。
「様々な意見がありますが、自分としては音楽を作る人にとって本当に良い時代だと感じます。ボカロをはじめとした宅録環境の向上のおかげで、自分のように一度普通に就職したただの音楽好きにもチャンスが巡ってきた事には感謝しかありません。音楽ジャンルによって時代との向き不向きが存在するのは感じますが、まだまだ音楽には夢があると断言出来る時代には変わりないと感じます。また、個人での発信が可能な時代なので、必ずしも音楽を職業にすることが正義な時代でもないなと思います。周りに流されず、自分に合った表現方法を選択する事こそが、自身の幸福に一番繋がるのではないかと思います」
楽曲制作において、“借り物じゃない自分の言葉での表現”を心がけているというsyudou。音楽が“大量生産大量消費”される時代となった今、その風潮を「うっせぇわ」とでもいうかのように、長きにわたって多世代に愛される音楽を今後もsyudouが届けてくれることを期待したい。■NexTone Award
NexTone管理作品を対象に、前年の1月から12月までの期間において、著作権使用料分配額上位3作品の著作者および音楽出版社を顕彰するGold Medal・Silver Medal・Bronze Medalの選出と、NexToneが手掛ける「デジタルコンテンツディストリビューション業務」や「キャスティング事業」における実績を含め、年間を通じて大きな話題を創出したプロジェクトやアーティストに対して顕彰する特別賞を選出。Gold Medal・Silver Medal・Bronze Medalの各賞には記念メダルを、特別賞には記念の楯が授与される。
■NexTone Award 2023
主催:株式会社NexTone
選出対象期間:2022年1月~12月
選出対象:上記期間中における、NexTone管理作品の著作権使用料分配額を対象として、Gold、Silver、Bronze各賞を選出。また、NexToneの様々な事業の中において、大きな実績・話題を創出されたプロジェクトやアーティストの中から特別賞を選出。
NexTone Award 2023 公式HP(外部サイト)■リリース情報
syudou 1st Album「露骨」
発売日:6月28日
■syudou Live Tour 2023「露骨」
8月24日(木)大阪:Zepp Namba
8月25日(金)愛知:DIAMOND HALL
8月31日(木)東京:Zepp DiverCity
開場 18:00 / 開演 19:00
チケット料金:5,300円 (税込)
オフィシャルサイト・syudou公式アプリ「syudou商店」抽選先行受付 (プレミアム・無料どちらも含む):4月17日(月)18:00~5月7日(日)23:59まで
特設サイト(外部サイト)■syudou プロフィール
インターネット上での音楽活動をはじめ、歌い手やVtuberなど様々なアーティストに楽曲提供を手掛け、2020年10月にAdoに提供した「うっせぇわ」はさまざまなチャートで1位を獲得。Billboard Chartの作曲家・作詞家ランキングでも上位に入り、最高位6位となる。
2021年よりシンガーソングライターとしての活動もスタートし、TVアニメ「チェンソーマン」や「クールドジ男子」のテーマ曲を担当。YouTube登録者数は69万超え、YouTube総再生数は2.5億回を超える。独自のダークな世界観を武器にファンを拡大中。
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