812GTSをロードスターに変身させレーシングスタイルにメイクオーバー
イタリアの高級スポーツカーメーカー「Ferrari(フェラーリ)」は、台湾にいるVIPのためにフロントエンジンの812GTSに改良を施し、SP51という最新のワンオフモデルのSpider(スパイダー)モデルを公開した。
Flavio Manzoni(フラビオ・マンゾーニ)率いる「Ferrari Styling Centre(フェラーリ・スタイリング・センター)」がデザインしたSP51は、812GTSをベースに、そのレイアウト、シャシー、エンジンはそのまま活かして作られた。スポーツ クーペを表すBerlinetta(ベルリネッタ)ボディのフロントエンジンV12をSpiderとして成功させたモデルは、1969年にフランクフルトショーで「Ferrari」365GTS/4 Dayona(デイトナ)を発表以来じつに53年ぶりのこととなる。
812GTSは格納式のハードトップを採用しているが、こちらのSP51にはルーフが存在せず、車内の快適性と音響を確保するために、コンピューターシミュレーション、風洞実験、テストを駆使してエアロダイナミクスを微調整する必要があったという。
キャビンやエクステリアには、むき出しのカーボンファイバーが多用され、SP51のために開発された“Rosso Passionale(ロッソ・パッショナーレ)”と呼ばれる3層塗りの塗装は、伝説の1955年型「Ferrari」410Sをモチーフに、ボディカラーの赤の上にブルーとホワイトのレーシング・ストライプが施されている。
また、SP51専用に開発されたダイヤモンドカットホイールや、カーボンファイバー製のウィングプロファイルスポークなど、デザインにも相当のこだわりが見られるが、フェラーリが“一流のコレクターの一人”と評するVIPは、キャビンの製作にあらゆる段階から関わっており、インテリアにも特別に“Rosso Passionale”と同じ赤の色調で、素材にアルカンターラを使用したブルーとホワイトのカラーリングのストライプを施されている。
「Ferrari」はこの特別なSP51について「マラネッロのスペシャル・プロジェクト・チームが生み出した最新のカスタムカーであり、フェラーリによるカスタマイズがあらゆる点において絶対的頂点に君臨するものであることを示しています。この車によって、台湾のオーナーが大きな幸せを感じることは間違いないでしょう」と述べている。