ゲーミングギアが多く普及し、プロゲーマーや配信者のみならず、日常的にハイエンドなガジェットをあらゆるプレイヤーが使用するようになった近年。ゲームにおける”音”について、ゲームを愛するタレント・アーティストたちはどのように考えているのか。
今回より、2001年にデンマーク・コペンハーゲンで創業された、品質、技術、機能性にフォーカスするゲーミングギアブランド『SteelSeries』とタッグを組んだ連載企画『著名人に聞く「ゲームと音」の重要性』がスタート。第一回には、NMB48においてゲーム好きアイドルとして活躍し、卒業後もストリーマー・役者など幅広く活動する石塚朱莉がゲストに登場。グループ卒業後の活動やゲームと音へのこだわり、『SteelSeries』の人気ゲーミングヘッドセット「Arctis Nova」シリーズのインプレッションなどを語ってもらった。(編集部)
「配信しているわけでもないのに叫んじゃった(笑)」 ヘッドホンで劇的に変わった“ゲーム体験”
――石塚さんに前回取材したのは2018年でしたね。当時はNMB48に在籍していて、終始『ドラクエ』の話をしていたと思います。
石塚:そうですね。そのときはゲーム実況を始めて間もないころでした。取材時にお話した『ドラクエ3』の実況は、そこから約4年の時を経て、ついに昨年完結しました(笑)。
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――2021年にはNMB48を卒業し、配信や役者業など幅広く活躍されていますね。
石塚:卒業してからは、とにかく「自由にいろんなことをやってみたい!」と思って、フリーランスで活動しているんです。役者としてお芝居もやっていきたいし、ゲームがすごく好きでゲーム実況・配信をすることも変わらず好きなので、いまはその2つを軸にしています。
――直近でも『ドラクエ』関連の新作発表配信にも登場していました。
石塚:『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』の新作発表会に呼んでいただいて、発表の場を制作者さんたちや勇者の方々と一緒に迎えられたことはすごく光栄でしたね。
――現在の配信活動については、どのようなスタンスで取り組んでいるのでしょうか。
石塚:時間があるときは毎日配信しています。グループにいたときは大人の方に仕事関係の連絡をやってもらっていたのですが、フリーランスとなると自分で担わなければいけない部分が大きくて。なので、午前中〜お昼は事務作業などに追われることが多いです。そうなるとゲームをする時間がすごく少なくなってしまうので、そのぶん夜に配信をして、そこでゲームをやる時間を充てるようにしています。やりたいゲームもやれるし、一緒にドキドキやワクワクや恐怖を一緒に体感して、みんなで冒険したり次に進んだりする生配信も好きなので、私としては一石二鳥なんですよ(笑)。
――YouTubeも最初は動画投稿がメインでしたが、途中から配信が中心になったのはそういうことでもあると。
石塚:はい。私が一番初めにやったゲーム実況がニコニコ生放送の『ドラクエ』実況だったので、リアルタイムで起こる奇想天外なあれやこれやの面白さを知ってしまうと、配信がいいなとどうしても思ってしまいますね。
――ゲームタイトルも『ドラクエ』をがっつりやっていた時期と比べて、かなり幅広くなりました。
石塚:話題のゲームをはじめ、様々なタイトルを実況することは増えましたね。最近だと『Stray』や『Apex Legends』もそうですし。
――『Apex Legends』は一時期かなりの頻度で配信していましたよね。
石塚:緊急事態宣言中はかなりやっていた記憶があります。そのときは配信外でも10時間『Apex Legends』をプレイして、温まったと思ったら4時間配信する、みたいな(笑)。
――そんな現在の石塚さんがゲーム配信をするにあたって、普段気を付けてることはありますか?
石塚:基本的にはのんびりと自由にやらせていただいているのですが、気をつけているのは「いかに見ている方たちを飽きさせないか」ですね。定期的になにかが起こらないとどんどん視聴数も減っていっちゃうので、見どころを作るようには心がけています。
――ちなみに「ゲームと音」に関して心がけていることはありますか?
石塚:実は、これまであまりヘッドホンにこだわってきていなくて。配信はいただいたヘッドセットを使ったり、普段音楽を聴くのもiPhone純正のものやファンの方にいただいたものを使っていたんです。ただ、今回『Arctis Nova Pro Wireless』を試させていただくことになって、一番慣れ親しんだ曲を聴いてみようと思って、最初に『ドラゴンクエスト』の「序曲」を聴いたんです。そうすると、ブラスバンドの鳴りがこれまで聴いていたものと全然違っていて。しっかり奥行もあって、生演奏を聴いているような感覚になって……「ヘッドホンをちゃんとこだわるだけでこんなにも違うんだ!」と感動しました。
あと、音を立体的に聴ける「Spatial Audio」という機能があるので、ホラーゲームをやってみたんですよ。そうすると、斜め後ろからお化けが私に問いかけてきて。配信しているわけでもないのに、思わず「やめてよ!」と叫んじゃったくらいです(笑)。
ーーやったことのあるゲームも全然違うものに感じるわけですね。FPS系のゲームもやってみたりしましたか?
石塚:『Apex Legends』をやってみたら、足音の聴こえ方がまったく違いました。これまで足音をあまり意識しなかったんですが、『Arctis Nova Pro Wireless』や『Arctis Nova 1』を使うと、2階に立てこもっていても1階に来た敵の位置が音でハッキリわかるので、一気に自分のスキルが上がったような感覚になりました。
PCゲームのいろんなジャンルは試してみたんですが、音にこだわっているゲームをやってみようと思って、『Unpacking』という荷解きをするゲームもやってみたら、物を置く音をはじめとした効果音がすごくリアルに聴こえてきて、ゲームの良さがさらに伝わってきた気がしました。ほかにも、RPGやアクション系のゲームだと、キャラの息遣いまで伝わってきて一気にリアリティが増したのも面白かったです。
――「自分は今まで、こんなに音がいいゲームをやってたんだ」と気付かされた感覚ですか。
石塚:まさにそうです。個人的に、実はこれまであまりヘッドホンが好きではなかったんです。肩がすごく凝るのと、耳の形がつぶされるのがすごく嫌だったので。でも、『Arctis Nova Pro Wireless』はイヤーパッドもふわふわで、密閉型なので周りの音も入ってこないようになっていて、嫌な感じがまったくしなかったです。『Arctis Nova 1』はメッシュ素材なので蒸れにくいから夏場の配信にも適していますし、なにより軽いので肩凝りも軽減できそうだなと思いました。
――ともに長時間配信のお供にはピッタリですね。
石塚:そうですね! 『Arctis Nova 1』は有線ですし、『Arctis Nova Pro Wireless』は元々2つのバッテリーが入っていて、使っていないほうを「ワイヤレスベースステーション」で充電して、使っているほうが切れたらすぐに替えられるので、かなりストレスフリーだと思いました。あと、手元で細かい調整ができるワイヤレスベースステーションもセットになっているのは非常に良いですね。
――音の部分でいえば、「Sonar」を使ったイコライジングもすごいですよね。
石塚:これから色んな機能を模索するつもりですが、オススメの使い方はありますか?
――『Apex Legends』や『VALORANT』『Fortnite』など、さまざまなゲーム向けの設定がプリセットで入っているので、Sonarの設定でやりたいゲームのものを指定すれば、最適な音域をセッティングしてくれるんです。ほかにも音楽用や映画用のものもあって、リスニングに適したモードに変更することも可能です。
石塚:ええー! すごい!